ソフトウェア

★★★★★★★官能評価TT通信No.1★★★★★★★

さて、本日のテーマはソフトウェアです。

皆さんは官能評価を実施する際にどんなソフトウェアを利用していますか?

ソフトウェアの使いどころとして、回答時と解析時の2ヶ所があげられます。最もシンプルなのが、回答時には解答用紙に記入してもらい、エクセルに入力して、解析をエクセルで行うというものでしょう。これは解析時のみソフトを利用した例です。

次のステップとしてお金をかけるとなると、一般的には解析ソフトの向上でしょう。エクセルでマクロを組んだり、SASやSPSSなどの統計専用ソ フトを導入したりします。この他の統計ソフトとしては、SAS社のJMPや日科技連JUSEなどもあります。これらのソフトウェアは解析を主眼に置いたも のです。

しかし、調査後に紙からデータを入力するのは大変ですし、写し間違える可能性もでてきます。そこで、データの入力から解析を一貫して行えるソフト が求められてきます。米国ではSIMS2000やCompsenseFiveなんかが有名です。これらのソフトウェアはLANを構築し、回答者がタッチパ ネル型の端末から回答を入力し、サーバーでデータを収集、解析するというタイプです。SIMSについては分かりませんが、Compsense社のサイトで 公開されているユーザーをみると、日本でもマクドナルドやキッコーマンなど大手が名を連ねています。どちらのソフトも世界的に利用されているようです。ま た、米国の官能評価技術者の求人募集を見ると、SASやSPSSにならんで、SIMSやCompusenseのPCスキルも望まれています。

SIMS・Compusenseの官能評価専用ソフトとSPSSなどの統計ソフトとの違いは一貫性にあります。前者は調査設計から、調査実施、解 析までを一貫して行えます。調査設計の時点で規格(ASTMなど)から外れた設計が出来ないように規制する機能もあります。入力時点では、回答者が直接コ ンピューターに入力するため、集計の即時化や回答にあわせてその後のテストを切り替えることも出来ます。もちろん、解析も出来ます。ただし、SPSSもそ うですが単独では決められた解析しか出来ません。オプションで解析ツールを導入することで様々な解析が行えるようになります。

どちらを使うかは利用レベルによると思いますが、入力が多いような部署(官能評価室)などでは専用ソフトの利用が効果的でしょう。入力が多く、さらに高度な解析も行う場合には、専用ソフトと統計ソフトの併用が一般的です。でもこれはお金のある大企業だけの話ですが・・・。

専用ソフトウェアの導入には問題も指摘されています。WEBサイトのアンケート調査でもしばしば議論されますが、回答の信頼性の確保が出来るのか どうかは、もうしばらく研究が必要でしょう。最近見た例では、0を中心とした7ポイントスケールの回答画面がありました。0を境界線として左右で色を分け ており、色による心理的影響の有無が懸念されます。影響がある場合、その尺度が順序尺度なのか間隔尺度なのか検討した上で分析することが必要でしょう。

しかし、便利であることは間違いありません。特徴を理解した上で、ソフトウェアは上手に使っていきたいものですね。

第一回は「官能評価ソフトウェア事情」でした。では、また来週!

admin について

旧ブログ「官能評価なるもの」は平沼孝太が執筆しておりましたが、現在の「官能評価なるもん」は弊社社員が編集しております。
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