令和7年2025年を振り返る

今年も残すところあと数日となりました。2025年の状況を振り返り、皆様とこの一年を共有したいと思います。

1.年末に起きた「におい」ニュース
2.官能評価の動向
3.ISO・JIS関連の更新情報

年末になり「におい」関連で大きなニュースが2つありました。1つは食品、もう1つはコスメ(乳液)でした。

食品の方は大規模な回収が実施され、コスメの方は「返品をご希望されるお客さまには返金対応」という対応がされています(執筆時点:2025年12月29日)。
どちらも安全性に問題ないと判断されましたが、2社の対応方針は異なりました。

メーカーの対応による消費者反応の違い

YahooニュースやXなどのコメント欄を見ると、2社の対応について消費者の印象は大きく異なることがわかります。

食品・大規模回収対応の場合:
「素晴らしい対応」「気にしすぎ」「もったいない」「どんな味か食べてみたい」など、非難的な内容は少ない傾向でした。

コスメ・返品希望者のみ返金対応の場合:
「リコールすべき」「顔面にカメムシがついた感じ」などネガティブな内容が多く見られました。

品質管理からの視点:損失関数と経済性

品質工学のタグチメソッドでは「損失関数」という考え方があります。ある商品特性について、目標値と生産された商品の平均値が乖離すればするほど、2次関数的に損失が大きくなり、その影響を金額で表したものです。品質管理で用いられる「目標値を考慮した工程能力指数Cpm」は、この損失関数の考え(乖離の二乗を反映)を応用した指標です。

もし、今回の「(イヤな)におい」が品質管理上で測定されており、それらから損失関数を計算できるのであれば、経済的な面からリコール判断ができたでしょう。

しかし、経済性に加えてブランドイメージの毀損という問題があります。SNSで少数の意見が発信され、あっという間に拡散される現代において、「少数の意見だから大丈夫」という判断は通用しません。イメージダウンから大きな売り上げロスへと連鎖することもあるでしょう。

SNS時代の品質管理戦略

メーカーのお客様センターに問い合わせてくる人よりも、手軽にSNS投稿する人のほうが圧倒的に多く、その影響も大きいです。SNSはマーケティングだけではなく、不満や不具合の芽を摘むための探索の場としても活用することが必要です。

今回のような商品の「におい」を検査する方法には「機器分析」と「官能検査」があります。

機器分析の特徴:

  • 測定対象(ターゲット成分)を事前に決める必要がある
  • 測定に時間がかかることがある
  • 「想定外のにおい」に対しては無力である場合が多い

官能検査の特徴:

  • 総合的な判断が可能
  • 「想定外のにおい」に対しても、評価パネルが検出できる程度の強度(閾値以上)があれば、出荷判断を適切に下すことができる

機器分析の技術発展により官能検査の代替化も進んできましたが、現在の技術では今回のような「想定外のにおい」の検出は難しく、官能検査の方が有効でしょう。

年初の品質管理マニュアル確認項目

皆様の会社でも年初の始業時には、品質管理のマニュアル等を確認してはいかがでしょうか。特に以下の3点をお勧めします。

  1. 適切に官能検査が行われているか
    (手順や環境は標準化されて、適切に運用されていますか?)
  2. 官能検査の方法が目的に合致しているか
    (製品の特性や重要度に応じた最適な手法が選ばれていますか?)
  3. 想定外の変化を検出できるか
    (日常的な品質チェックに加えて、異変を早期に察知する体制は整っていますか?)

市場の目は厳しくなり、少数の声もSNSで瞬時に拡散される時代です。期待される商品性は高くなっております。安全性はもちろんのこと、感覚的な商品性(味・食感・におい)の管理も気を付けたいですね。

今年は官能評価分野で注目すべきイベントが2つ開催されました。

  • Pangborn 2025:8月にフィラデルフィアで開催
  • 日本官能評価学会第30回(2025年)記念大会:11月に開催

官能評価学会記念大会ではニュージーランドの教授がオンラインで講演をし、Pangbornでも多くのニュージーランド研究者が発表し、ポスターが展示されました。ニュージーランドの勢いを感じる2つの大会でした。

官能評価分野の3つのホットテーマ

官能評価分野の動向として特筆すべき点を3つ選びました。

1.テクノロジーの応用
2.サステナビリティと代替プロテイン
3.消費者の心理と健康

1.テクノロジーの応用

テクノロジーの応用は、非常にホットなテーマです。経済ニュースでAI関連のニュースを目にしない日はないくらいです。仮想現実やメタバースといった研究分野は、以前ほどではないですがまだまだ興味の高い分野です。しかし、Meta社(旧Facebook)もAIに集中する方針を出しており、ビジネスとしてはAIにシフトしている会社が多いようです。

【テーマ例】
・AI / 機械学習:消費者嗜好の予測、データ分析の自動化、チャットボットによる調査
・Virtual Reality(VR)/ 没入型環境:仮想現実環境での知覚評価、購買行動シミュレーション、宇宙環境など特殊環境のシミュレーション
・Digital / スマートセンシング:デジタルツールやスマートセンサーによるリアルタイム行動データ収集、詳細なデータの取得

2.サステナビリティと代替プロテイン

最近は身近なお店でも代替肉や昆虫食を購入できるようになってきました。農業・畜産・水産は天候や疾病の影響を受けるため、安定的な供給が難しいのは人類の課題です。日本でもカカオが高騰しており、トップバリュがカカオを使用しない代替チョコを販売したのも今年の夏でした。

【テーマ例】
・Plant-based(植物性食品):植物性ミルク、肉代替品、チーズなどの感覚特性と消費者受容性の研究
・Cultured meat / Cell-cultivated(培養肉):培養肉に対する消費者の態度やラベルの影響に関する研究
・Sustainable / Upcycled(持続可能性):持続可能な食品、アップサイクル食品(廃棄物の再利用)、昆虫食への関心

3.消費者の心理と健康

以前からのテーマですが、さらに細かくカテゴリーを分けて理解を深めようという動きが活発です。「健康・医療に必要」という理由から、「より良い生活を実現するため」という理由へシフトしてきています。

【テーマ例】
・Emotion / Well-being(感情と幸福度):食品が引き起こす感情や、幸福感との関連性
・Cross-cultural / Global(文化的多様性):文化や国籍による嗜好の違い。グローバルな調査手法の調和
・Aging / Life stages(ライフステージ別):高齢者、子供、妊婦など、特定のライフステージにある人々の感覚特性

官能評価手法の進化と実務の変化

傾向として手法が大きく変わっていませんが、既存の手法(QDA、TDS、CATA、プリファレンスマップなど)の評価対象が広がりを見せているという印象です。特にTDSやCATAで感情を測定する事例が増えています。

また、実務上では大手企業が採用していた手法を中小企業でも実施するようになってきています。

一方で大企業は官能評価業務をアウトソーシングしたがっており、中小企業は社内で評価体制を構築しようとしております。サプライヤーが官能評価業務を実施している場合は、大企業はサプライヤーに官能評価データを要求することが増えています。

前述の「におい」の件がありましたので、一時的に大企業のアウトソーシング方針は撤回されるかもしれませんが、トレンドが変わらなければ数年内にアウトソーシング方針に戻ってくるでしょう。

今年2025年に新たに公開されたISO規格は2つでした。どちらも更新版となります。
この2つの規格は「コーヒー」と「パスタ 」に特化した規格となるため関連する人以外は必須というわけではなさそうです。

ISO 18794:2025(1stEd:2018)
Coffee - Sensory analysis - Vocabulary
Publication date : 2025-11
Edition : 2
Number of pages : 12

ISO 7304-1:2025(1stEd:2016)
Durum wheat semolina and alimentary pasta – Estimation of cooking quality of alimentary pasta by sensory analysis
Part 1: Reference method
Publication date : 2025-11
Edition : 2
Number of pages : 9

また、開発中の規格が3つあり、1つは新規の規格でした。評価室(ISO8589)やDuo-trio(ISO10399)は2024年末にも開発中として紹介しましたが、最終段階にあるようなので2026年には発行されるでしょう。

(開発中のISO規格)
ISO/DIS 8589(3rd)
Sensory analysis - General guidance for the design of test rooms

ISO/FDIS 10399(4th)
Sensory analysis - Methodology - Duo-trio test

ISO/AWI 5877(新規)
Sensory Analysis - Methodology - General guidance for conducting perception tests with consumers in real or simulated usage/consumption situations

新規規格の「ISO/AWI 5877」は、表題をgoogle翻訳すると「実際の使用状況または消費状況をシミュレートした状況で消費者に知覚テストを実施するための一般的なガイダンス」となり、概要より「非管理条件下のテスト」や「管理下のシミュレートされた使用状況」「仮想現実でのテスト」などについての規格となるようです。

VRゴーグルやメタバースといった仮想現実下のテスト用の規格を検討しているというのは、非常に興味深いですね。VRは既に普及した技術となってきているのでしょう。

企業ごとに様々な取り組みがされていますが、「ISO/AWI 5877」規格が発行されることでVR下で取得したデータの共有化が進むと期待されます。実際は、デバイスやプラットフォームの供給者次第のところが大きいと思いますが、仮想現実下の調査というものがもっと身近なものになっていくのかもしれません。

個人的な意見としては、現状のVR装置では実際の環境を統制できないため官能評価の代替には不十分だと考えていますが、オンラインアンケートでは、よりリッチな情報収集を可能にする有効な選択肢になるでしょう。

今後に期待です。

最後に今年の弊社の活動も振り返ってみます。

1つ目は、喫食量モニタリング装置(BRIQ)のサービスを公開いたしました。これは、食事中の喫食量やスピードなどを記録し、食行動パターンをデータ化する装置です。徐々にですが利用データや活用事例が増えてきております。

2つ目は、ここ数年継続的にAI導入を進めています。弊社のAI体制は現実的に稼働しており非常に有効に活用しています。弊社の場合は、AIを「業務の合理化」というより「アウトプットの質を高めるため」に活用している状況です。GPT・Gemini・Claudeなどの高機能LLMモデル(オンライン)に加えてローカルLLM(社内PCで稼働)と2本構えの体制です。

3つ目は、受託評価事業の再稼働を準備しています。コロナ以前は、受託業務で官能評価を請け負っておりましたが、コロナ発生の際に受託評価事業を停止しておりました。お客様の要望次第とは思いますが、事業の見込みが立つようであれば受託評価事業を再開したいと考えています。

2026年は、フィジカルAI(物理世界とAIの融合)と官能評価の可能性を模索していきたいですね。

本年も大変お世話になりました。
来年も何卒宜しくお願い致します。

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官能評価学会2025年大会 企業ブース出展のご報告

2日間にわたる官能評価学会2025年大会、皆様お疲れさまでした。
運営の皆様も色々とご配慮いただきありがとうございました。

テイストテクノロジー社も2日目の11/23に企業ブースにて最近の弊社取り組みなどをご紹介させて頂きました。

テイスト社企業ブース

1つ目は、この夏よりご案内しております喫食量モニタリング装置「BRIQ」の実機展示を致しました(テーブル中央

2つ目は、弊社が近年取り組んでおりますローカルLLM(自社/自宅のパソコンでChatGPTみたいな環境を作る)の内容と処理スピード(Token per second)の研究結果を展示いたしました。(テーブル左

3つ目は、今回の大会テーマである「官能評価の世界-現在・過去・未来-」にあわせて、弊社で保有する「過去の書籍」を一部展示いたしました(テーブル右

過去の書籍として下記の3つ紹介しました。
1.「耳官能検査方法」(昭和3年)
陸軍省の聴力を使った能力を計る方法を解説。
文体が古く(漢字とカタカナ)で正直内容は読めないが、検査手法などは読み取れる。いつの日か読んでみたい。

2.工業における官能検査ハンドブック(昭和37年)
現代のバイブル「新版 官能検査ハンドブック」の前著。新版よりページ数が少なく薄い。

3.Food Science and Technology(昭和40年)
PangbornシンポジウムのRose Marie Pangbornらの著作。以前は官能評価分野でのスタンダードな文献でした。

展示書籍

陸軍省の珍しい本(1)ですが、所有している本は劣化が激しいため写真でご紹介させて頂きました。
(2)については、井上先生の講演で「新版 官能検査ハンドブック」の話も出ていたようで、立ち寄った方と盛り上がりました。
日本国内では佐藤信先生の本が有名ですが、英語圏ではPangbornらの本(3)が基本書としては使われていたようです。

弊社ブースの隣にはアルファモス社様が展示をされており、SONYの「におい提示装置」の実機で体験させて頂きました。思っている以上に残り香が少なくて驚きました。
こちらの装置・カートリッジなどはアルファモス社様第一薬品産業社様で取り扱われています。

第一薬品産業社様のブースでは、におい当て体験コーナーを開催されておりましたが皆様は当てられましたか?
香りの記憶方法はパネルトレーニングでも重要な技術なので、当てられなかった方はぜひ、弊社にご相談ください。

ポスター発表も大変面白く拝見させて頂きました。
興味を惹かれたのは、RATA法やフードペアリングが複数のポスターで取り上げられていたことと、企業のうち唯一食品以外の分野でポーラ化成様がポスター掲示されていたことです。
弊社でもコスメ系のクライアントがおりますが、食品に比べて非常に少ないためポーラ化成様には今後も活躍されることを期待しております。

明治大学様、岐阜大学様のポスターでは弊社MagicSenseを使った研究だったようで、ご利用頂けて何よりです。

弊社代表がブースを不在にしていた際にお立ち寄りいただいた皆様には、また別の機会でお会いできるのを楽しみにしております。

インフルエンザが流行っておりますが、皆様お体ご自愛下さい。

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官能評価学会2025年大会 企業展示のお知らせ

今年の官能評価学会2025年大会は記念すべき「30回」大会だそうです。
30年前は私も未だ大学生ですね。

以前は日本科学技術連盟の官能検査シンポジウムが研究発表の主戦場だったと思います。
官能検査シンポジウム発表報文集は、実務に即した内容がぎっしり詰まっており私も勉強させて頂きました。

官能検査シンポジウムの役割も終え、官能評価学会が主な発表の場になってきました。

そして今年、遂に官能評価学会の大会が30回目を迎え、歴史を感じています。

今年は2日間にわたって開催され、2日目の11/23(日)にはJoanne Hort教授(ニュージーランド Massey University)がオンラインで基調講演をされます。
楽しみですね。

弊社テイストテクノロジー社も企業展示を2日目の11/23(日)に行います。
お時間のある方はぜひお立ち寄り下さい。

官能評価学会2025年大会の詳細はこちらから。

お会いできるのを楽しみにしております。

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Pangborn2025(米・フィラデルフィア)の概況

フィラデルフィアで開催中のPangborn2025も8/21で最終日となりました。
参加していないですがサイトの情報を元に概況報告してみたいと思います。

今年は登録者数1700名となっており大分盛況のようです。
日本からは63名が参加されたようですね。
内訳は下記の様になっており、アカデミックの方の参加が多いようです。
特に東北大学は、大学と大学院を合わせると最も多かったです。

【日本の内訳】
アカデミック:約62%
民間企業:約38%

全体を見てみると開催国のアメリカが圧倒的に参加者が多くて31.5%となっています。
2位のブラジルが8.4%なのでダントツですね。
日本の63名は3.7%で7位となっています。

意外だったのはアメリカの隣であるカナダが22位(0.9%)でした。アレの影響かな?

今回のテーマは「Connecting Senses and Minds」で、「感覚と心をつなぐ」みたいな意味合いでしょうか。

ポスター等のタイトルからAI関連のテーマを探してみたところ、20件ほど見つかりました。
タイトルだけで検索したので、実際はもっと多いかもしれません。しかし、近年の生成AIブームを考えると想定より少ないというのが私の印象です。

他、嗜好(liking, preference, etc)関連は人気で75件でした。
テーマとなっているSenseと Mindは少なかったです。

mind:4件
sense:7件

タイトルだけの情報ですので実際の内容と異なるかもしれませんが、嗜好関連の人気は安定していることとAI関連が大きく増加していないというのが興味深かったです。

参加者リストを見ているときに気づいたのですが、1人で複数の著者(Author)になっている方が時々いらっしゃいましたが、最大何本の著者になっていると思いますか?

もちろん全て筆頭著者(First author)という訳ではないですが、トップはなんと11本でした。次いで2位が10本です。このトップ2は、お二方ともニュージーランドでした。3位にアメリカ・カリフォルニア大デービス校の方が9本という結果でした。

1本書くだけでも大変なのに、いやはや驚きです。

本日(8/21 米国東部標準時)でPangborn2025は終了ですが、最終日は次回開催地の発表があります。
さて、次回2027年はどこで開催なのでしょうね

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馬場先生の【順位グラフ】を知ってる?

前回に引き続き、順位法について書きたいと思います。

順位グラフは、統計数理研究所の馬場康維名誉教授が70-80年代にかけて開発された順位データの視覚化手法の一つです。

日科技連の官能評価セミナー(4日間)という基本的な手法を学ぶセミナーが古くから開催されているのですが、私が官能評価を体系的に学んだ最初のセミナーでもあります。その中で、馬場先生が自ら講師となって順位法とその視覚化手法である【順位グラフ】を説明して頂きました。

順位データの視覚化手法は、現在も新しい手法が開発されています。XLSTATに実装されたDemser Plot(Critical Difference Diagram/Plot)なども2006年の論文ですので、比較的新しいです。下記がCD-plotの例です。

出典 Fig.1 Demˇsar(2006)

C4.5というのは機械学習のアルゴリズムを表し、+以降は処理の違いを表します。官能評価で言えば、規準サンプルと添加剤の有無を表しているようなイメージです。引き出し線の位置は平均順位を表し、太い横棒は有意差のないグルーピングを表します。

有意差を表す方法としてはアルファベットを使った方法(下記)が以前からありますので、正直なところCD-Plotにあまりメリットを感じません。

CD-Plotは視覚化手法というより、Critical Difference(CD)を使うという点が特徴だと考えています。

さて、馬場先生の【順位グラフ】はどんなグラフかと言うと下記の様な半円グラフです。

各サンプルの平均順位が半円の角度に対応していますので、矢印と外周の交点が平均順位を表します。また、矢印の長さが評価の一致度を表しているので、回答者がばらついた結果の順位なのか、一致した結果なのかが一目でわかります。

さらに詳細を示すグラフが【順位連結グラフ】です。個々の回答状況を反映しており、【順位グラフ】に比べて回答状況についての詳細な情報が得られます。各線の長さが回答者の比率に対応しており、中心から外周(=半径)が100%を意味します。
下記のグラフで言えば、drink.Eは中心から水平に半径の半分くらいの線が引かれていますので、1位を付けた人が全体の50%程度であることがわかります。

パネルトレーニングやパフォーマンスチェックをするのに有用なグラフだと考えています。

残念ながら、【順位グラフ】や【順位連結グラフ】は標準的なグラフとは言えないため統計ソフトに実装されているのが少ないですし、私も都度Rでスクリプトを書いている状況です。

もう少し利便性が良ければ利用者も増えるのかなと思っています。

最先端でも使われている順位データですが、【順位グラフ】のように時間を経てきた技術が現代でも活用できることに驚きと感動を覚えます。
馬場康維先生の論文もネット上にありますし、少し新し目で言えば山下 利之(1990)も参考になります。興味のある方は読んでみてください。

今回は、順位データの視覚化手法で【順位グラフ】や【順位連結グラフ】をご紹介しました。

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順位法(Ranking)を使いこなそう

官能評価では、5点法や9点法などの多段階スケールやラインスケール(またはビジュアルアナログスケール:VAS)などの独立評価型スケールが主流です。

順位法は「ちょっと古くて、情報量が少ない、論文で目新しさがない」など積極的に使われることが少なくなりました。

官能評価において順位法は、試料の差異や類似を明らかにするためのデータ取得の目的でも使われますが、前段階の試料スクリーニングやパネルトレーニングで使われることも多いです。

順位法は、被験者が複数試料(3つ以上)を試用して、指定された属性について順に並べた順位データを取得する手法です。一度に尋ねる属性は1つだけであり、「甘さの強い順番」「苦味の強い順番」「好ましい順番」などのように特定の1属性について回答者の認知に基づいて試料を並べます(または、順位を回答します)。

順位法についてのISO規格は、ISO8587(2006)が発行されています。2006年が最新版なのですが、2013年に補足版が公開されています。
※弊社ではこの補足版も購入しているのですが、あまりのページ数の少なさに驚きました(この改訂規模なら正誤表で対応してほしいですね)。

さて、順位法から得られるのが「順位データ」ですが、AIや機械学習の分野では「順位データ」の価値が再評価されています。検索エンジンのリザルトページやECサイトのレコメンド、音楽ストリーミングのプレイリストの最適化など、Web業界の最先端アルゴリズムは順位データを核にしています。

最先端技術でも活躍中の「順位データ」ですが、官能評価でも下記の様なメリットがあります。

●直感的な操作で被験者負担が小さい
●個人別の点数の付け方の差が出にくい
●訓練の有無や文化の違いの影響が出にくい
●大量収集との相性が良い

これらの利点が認識されて「順位法」が再び脚光を浴びています。

「順位法」を単体で使うというよりは、評価の前段階で使ったり、精度より簡便性を重視したり、AIの学習データ用に規模の大きなデータが求められる調査では今後更に重要な手法となってくるでしょう。

企業実務では、評点データから急に順位データに変更するのは難しいと思います。しかし、スクリーニングやトレーニングなどの前段階であれば比較的導入しやすいでしょう。

AI導入の準備をされている方、パネルトレーニングやスクリーニングの省力化を検討されている方は、「順位法」の利用をお勧めします。

今回は、クラシックだけど最先端「順位法」についてご紹介しました。

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Pangborn2025米国フィラデルフィアにて8/17から開催

2年に1度開催される官能評価シンポジウムの「16th Pangborn Sensory Science Symposium」がアメリカ・フィラデルフィアで8/17から21日までの5日間開催されます。
早期予約は終了しましたが、通常の参加は未だ募集中(企業参加者は$950)のようです。

今回のテーマは「Connecting Senses and Minds」です。
さまざまな分野からのアプローチと研究結果を統合し、機能領域を超えて連携し、国境、タイム ゾーン、文化を超えてつながることを期待して設定されたテーマなんですね。

実務でも様々な領域の知識が必要となってきており、知識の深さと広さの両方が求められています。

さて、プログラムの詳細は更新されていないようですが、各種イベントについては公開されていますので、気になる参加者向けのイベント・特典をご紹介します。

1つ目は、同時期(8/16-17)に開催される「International Society of Neurogastronomy Symposium」に無料参加できます。

ゴードン・シェパード医学博士(理学博士)は、ネイチャー誌に掲載された 論文の中で、「神経ガストロノミー(神経味覚学)」という造語を用いたのが始まりで、その後組織化されたようです。シニアアドバイザーとしてゴードン・シェパード医学博士も参画されています。
早めに現地に到着できる方であれば、参加してみてはいかがでしょうか。

2つ目は、Monell Center Meet-upです。8/19のPM5-7時に訪問、交流します。こちらは参加フォームから申し込めば参加できます。

フィラデルフィアにあるモネル研究所は、味覚と嗅覚に関する世界で初めての基礎研究所としてスタートしており、過去も含め多くの日本人が在籍されています。Kirinのサイトによれば「キリンが1984年来スポンサーシップを継続しているNPOの研究所」ということで、日本にも所縁のある研究所ですね。

3つ目は、初日に開催される有料のチュートリアルです。
開催前の2025年8月17日(日)10:00~14:00に4つの有料チュートリアル($70)が実施(同時間のため1つのみ)されます。今回は、4つのうち3つがRに関するチュートリアルです。
※各表題はgoogle翻訳です。

1.R tidyverse を使用した出版品質のデータ視覚化
私のコメント:
Rstudio/Rの基礎知識がある方向けの内容で、tidyverseパッケージを使った多変量データの視覚化に焦点を当てています。
Rについてある程度の経験が必要ですが視覚化(ビジュアライゼーション)に興味がある方におすすめします。

2.実践的な例を通してRのShinyを学ぶ
私のコメント:
Rstudio/Rの基礎知識がある方向けの内容で、shinyを使ったWebアプリケーション/ダッシュボードのチュートリアルです。講師は「Analyzing Sensory Data with R」の筆者の1人で、この本には大変お世話になりました。
Rstudioはshinyを簡単に実行できるので便利ですが、SensoMineRのような応用パッケージ(基本パッケージを内部で組み合わせて処理)しているパッケージはshinyで上手く動作しないことが多いので、基本パッケージやグラフ機能(plot/ggplot)を使える方におすすめします。

3.感覚および消費者データ:XLSTATで多変量解析を使用して主要な洞察を発見
私のコメント:
有料の統計ソフト「XLSTAT」のチュートリアルです。当日のチュートリアル用に一時的なライセンスも提供されるようですが、事前に試してみたい方は販売サイトから無料トライアルが利用できます。
XLSTAT Advanced を14日間試用できるので、気になる方はお試しください。チュートリアル自体は有料なので、折角の機会であること考えると他のチュートリアルの方がおすすめです。

4.アンケート調査はどう?ベイジアンネットワークを、適切に設計されたアンケートデータに適用する
私のコメント:
サーベイデータを使ってベイジアンネットワーク分析をRで実行するチュートリアルです。パッケージのリストは参加者に事前に提供されるようですが、私の予想ではベイジアンネットワーク関連のbnlearn、deal、catnetなどのパッケージを使って解析し、Rgraphvizパッケージでグラフ化すると予想。ベイズ統計は通常の統計学(頻度主義frequentismと言われる)と異なるので、事前にベイズ統計の概要だけでも学習が必要かも。ベイズ統計の基礎知識があればオススメです。

今後、日程が近づくにつれてプログラムの詳細が埋まっていくと思いますが、どのようなテーマが出てくるか楽しみです。個人的にはAI関連がどれくらい出てくるか気になっています。

前回フランス・ナント開催の時は参加料を支払って、参加するぞというタイミングで用事が入ってしまって行けませんでした。後日動画で見られたので良かったです。

今回も動画を公開して頂けるとありがたいですね。

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新サービス『喫食量モニタリング調査(BRIQ調査)』の先行ユーザー募集のお知らせ

6月末だというのに夏日が続いたりと不安定な気候が続いております。
皆様いかがお過ごしでしょうか

さて、我々テイストテクノロジー社では今夏より新サービスを開始いたします。

新サービスは、被験者の飲食プロセスについて、飲食品の重量を時系列で記録し、その食べ方のパターンを調査・解析・報告する受託調査型のサービスです。

今回は、新サービス「喫食量モニタリング調査(BRIQ調査)」の先行ユーザー募集とそのオンライン説明会開催(7/2)についてお知らせいたします。

説明会へのお申込はこちらから・・・7/2の説明会申込は終了いたしました。

開発テーマ論文執筆のネタを探している方は必見です。

【サービス名】
喫食量モニタリング調査(BRIQ調査)・・・受託調査型サービスです。
※以下、『BRIQ調査』

【サービス概要】
「BRIQ調査」は、被験者が飲食する際の飲食品の重量を時系列で正確に記録し、食べ方のパターンを解析・報告する受託調査型サービスです。
独自開発の喫食量測定器は、単体でも複数でも稼働可能でカメラや音声データとの連携も対応します。
無意識な行動をデータ化することで嗜好度の客観的指標や飲食行動の詳細な分析が可能です。

【利用例】
・商品の客観的嗜好テスト
・食べ飽き・慣れ・やみつきの指標化
・飲料と食品の食べ合わせ評価(マリアージュ)
・商品の容量や大きさの最適化
・ユーザーの食べ方のパターンの実態調査
・栄養摂取量や食習慣を把握して医療・ヘルスケアで活用

【お勧めするユーザー】
・食品メーカーや開発部門の方:
 食べ飽きや嗜好度を客観的データを活用して商品開発・研究開発をサポートします。

・研究機関・大学の研究者:
 食行動や栄養摂取の詳細データを取得したい方に最適です。

・医療・健康関連企業:
 食事傾向や栄養管理の精度を高めたい場合に有効です。

【先行ユーザー募集】・・・3社限定
サービス開始前に、先行ユーザーを募集いたします。
特別価格での提供や技術サポートを受けながら最先端のデータ活用が可能です。
食品の嗜好や食行動に関する新たな視点を得たい方は、ぜひご検討ください。

ご興味のある方は、7/2のオンライン説明会にご参加ください。

【先行ユーザーのメリット】
メリット1.特別価格の適用。・・・説明会でお知らせします
メリット2.他社に先駆けて新サービスを用いたデータのご活用を。
メリット3.結果を論文やPR等で公開利用される場合は、技術情報をサポート。

オンライン説明会について
2025/7/2 14時から(1時間程度)
お申込フォームからご連絡いただいた方には参加用のURL等をお送りします。
※リサーチ企業、測定機器メーカー・代理店の方はご参加いただけません。ご了承ください。

こちら、説明会お申込フォーム・・・7/2の説明会申込は終了いたしました。

以上、弊社の新サービス『BRIQ調査』先行ユーザー募集のお知らせでした。

今年2025年はPangborn2025(16th)がアメリカ・フィラデルフィアで8/17-21に開催されます。
私はサービス開始と重なるので、今回の参加は難しそうですね。

今年も暑そうですが、乗り切っていきましょう!

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令和6年2024年を振り返る

今年も残すところあと数日となりました。
2024年もChatGPTと各生成AIなどのAI躍進が続きました。
そんな今年2024年の状況を振り返りたいと思います。

1.生成AIの新たな基軸-キャラクター化とプロアクティブ化-
2.官能評価の動向
3.ISO・JIS関連の更新情報

1.生成AIの新たな基軸-キャラクター化とプロアクティブ化-

2022年11月にChatGPTのサービスが開始されてから2年が経ちました。
昨年もAIフィーバーでしたが、OpenAI以外の競合のレベルもどんどん進化しております。
A社が最新モデルを出して優位に立ったと思ったら、すぐにB社が最新モデルでそのパフォーマンスを追い抜いていくような激しい競争で技術が進歩しております。
また資金の流入もあり、新しい企業がいきなり業界トップになってしまうこともこの数年で見てきました。

利用者側も様々なサービスが提供され、さらに頻繁なアップデートが繰り返されるのでついていくのがやっとという声も少なからず聞かれます。しかし、AIを使用するかどうかで生産性は大きく変わりますので利用したことのない方は年末年始の空き時間に使ってみるとよいでしょう。

今後もAIモデルの性能は上がっていくと思いますが、その為に必要なリソース(学習用データ、GPUなどのハードウェア)が桁違いに必要になるため、モデル単体の性能は鈍化していくでしょう。一方で、複数のモデルを組み合わせたり、思考プロセスを変更することで精度を向上する方法も併用されてきています。2024年にOpenAIがサービスを開始したo1モデルや発表されたばかりのo3モデルは、思考プロセスを改善することで大幅な性能アップを達成しています。また、複数のLLMモデルに役割を設定して目的達成まで自動的に進めていくようなエージェント型のサービスも増えてきています。

利用者としては、モデル単体であろうが複数モデルだろうが「目的を早く正確に達成できれば何でもいい」というのが本音でしょう。そこにブランドロイヤリティや愛着というものはありません。

当面はこのような性能競争が続いていくでしょう。

その先には、AIサービスにもブランドアイデンティティやキャラクター、愛着を生み出すものなどが付与されてくるでしょう

まずはプロアクティブ(積極的な)なAIがサービスとして提供が増えると考えています。現在のChatGPT等のサービスは利用者が質問や発話などのトリガー行為によってAIが応答するスタイルです。一方、プロアクティブなAIは、AI側が必要と判断したタイミングで応答(発話、チャット)を始めます。より人間的で自然なプロアクティブなAIが主流となってくるでしょう。

つぎにAIに対する愛着やロイヤリティを生み出すもの、キャラクター性がデザインされて提供されていくでしょう。

昔使っていたSHARP製のスマホにはエモパーという人工知能アプリが搭載されていました。スマホを机に置いたときや何かのニュースが流れてきたときにエモパーから話しかけてくる。必要な情報を、こちらから動くことなく提供してくれる。また、キャラクター付けがされていて無機質な感じがしない。プロアクティブで個性的なAIだったと記憶しております(本記事執筆時点でもサービス提供中)。

AIの基本性能の精度向上は当然として、各分野への最適化が進み、キャラクター化プロアクティブ化がサービスのカギとなってくるでしょう。

来年もAIの進化が楽しみですね。

2.官能評価の動向

AIのインパクトは大きいのですが、官能評価の実務上ではあまり影響は大きくないようです。
「早い・楽・安い」の傾向は変わっていなくて、精度を高めようというアプローチは主流ではないようです。アプローチで言えば、今年一年のプリファレンスマップの需要は高かったです。特定の分野ということはなくて様々な方面からお問い合わせがありました。

大手の企業の傾向として、社内で運用している官能評価を外注もしくは外部パネルに移行しているところが多いようです。一方で中小企業では社内の官能評価の体制を整備しようという動きが多くあり、近い将来には逆転していくのではないかと思います。実際、原材料の納入業者に提案や官能評価のデータを要求するようになってきており、大手としては自社でデータを取らなくても何とかなってしまう状況ができてきています。香料メーカーなどとの関係は以前からこのようなものだったと思いますが、他の素材メーカーでも同じような関係になりつつあるようです。

官能評価技術は簡単に再構築できるものではないので、大手企業も自社の官能評価体制を維持したままの方が良いと思うのですが、各社思惑があるようでこの外注化の流れは続きそうです。

3.ISO・JIS関連の更新情報

2024年のISO更新情報です。
今年は新規規格の発行が1つ、規格更新が1つ発行されました。あまり多い年ではありませんでした。

ISO 6273:2024
Assistive products – Accessibility guidelines and requirements to survey the needs of persons with sensory disabilities for assistive products and services
Publication date : 2024-03
Edition : 1
Number of pages : 19

ISO 29842:2024(<-2011)
Sensory analysis – Methodology – Balanced incomplete block designs
Publication date : 2024-06
Edition : 2
Number of pages : 19

官能評価分野のワークグループでは評価室(ISO8589)やDuo-trio(ISO10399)などの更新作業が進んでいるようです。

さて、今年は生成AI系サービスの普及と性能の向上が続いてきました。
一方で専門家以外にはあまり違いが分からないという話もあり、利用者によって受け取り方が大きく違うことに驚きがありました。

弊社では、今年は社内用のローカルLLMも動き出し、順調に業務のAI化が進んでいます。
また、社内会議では役割を割り振られたAIが課題に対して、問題点や解決策などを提案してきています。
RやPythonのデータ解析用のコードはAIに書いてもらっています。
論文の読み込みは先にAIにレクチャーしてもらってから、自分で細かいところを読むようになりました。

AIが社外の人とのコミュニケーションがとれるようになったら、ホワイトカラーの仕事は激減しそうですね。

2025年も時代の変化に対応しながら、記憶力の低下に抗って頑張っていきたいと思います。

本年も大変お世話になりました。
来年も何卒宜しくお願い致します。

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TimeIntensityデータの新アプローチ

5/24に官能評価学会の企業部会で発表をさせていただきました。
タイトルは「Time Intensity法のデータの読み方とパネル訓練への活用法」です。

Time Intensity法(略称はTI)は、(1950年代から)70年ほどの歴史のある成熟した手法ですので、経験者にとってはすでにご存知の内容も多かったかもしれませんが、多少は目新しい情報もご紹介できたのではないでしょうか。

特に下記の2点はTIデータに対する弊社独自のアプローチとしてご紹介しました。

1.カーブシグネチャの類似性指標としてDTW(Dynamic Time Warping)の採用
2.TimeIntensityデータの表現方法としてSonification

まず1つめです。
1.カーブシグネチャの類似性指標としてDTW(Dynamic Time Warping)の採用

カーブシグネチャとは、パネリスト毎に固有の形状をもつことを言います(ASTM E1909 9.1.3)。訓練を重ねていくとTIカーブ(回答の生データの折れ線グラフ)の形状が固有の形状(つまり、同じようなカーブ)を持つようになってきます。その為、評価パネリストの評価安定性のガイドラインとして利用されます。通常は、目視でTIカーブを見て経験的に判断します。カーブの類似性を数量的に評価する方法はありますが、評価時間が異なるとうまく機能しないものが多いです。そこで弊社では訓練時におけるTIカーブの類似性評価にDTW(Dynamic Time Warping)の採用しております。これにより測定時間の異なるTIカーブの類似性を客観的に評価できるようになりました。

次に、2.TimeIntensityデータの表現方法としてSonification(音響化)です。

DXの波に押され、データのビジュアライゼーションが浸透してきました。弊社ではTIデータのビジュアル化(グラフ化、動的な表示変化、そして動画化)の次のステージは「ソニフィケーション(Sonification)」つまりデータの音響化が進むと考えています(マルチモダリティ化)。

皆さんもNASAの宇宙の音として月やブラックホールなどの音をニュース等で聞かれたことがあるかもしれません。下記はXで公開されている動画です。※再生時には音量に注意してください。

このように、データの音響化(Sonification)は他分野では採用が進んでいますが、官能評価ではほとんど使用されていませんでした。テイストテクノロジー社ではTIやTDS、QDAなどの官能評価データの表現方法として、いち早くソニフィケーションに取り組んでおります。

当日の発表で使用した時系列カーブをソニフィケーションした動画です。※再生時には音量に注意してください。

部会の発表は、短い時間でしたのでTI法の詳細についてはご説明できなかったのですが、弊社ではTI法に関するテキストを販売しております。

今回、官能評価学会企業部会のメンバー様だけのキャンペーンを実施させていただきます。
※メンバー様の所属する企業・組織であれば、キャンペーン対象といたします。

1.Timeintensityのテキスト(1か月間のメールサポート付)
定価55000円(税込)を下記価格にてご提供。

キャンペーン価格:29700円(税込)・・・46%オフ

2.MagicSenseの特別お値引き(新規購入のみ。既存ユーザーは別途優待)
Baseモジュール(必須)分を特別お値引き。

例)MagicSense TIモジュールセットの場合
Base:210,000円 ⇒ 0円
TIモジュール:194,250円
総額:194,250円(税別)/213,675円(税込)
※1年間の保守契約込み

2024/7/10発注分までとなっております。
詳しくは下記リンクからお問い合わせください。

お問い合わせフォーム

ぜひ、この機会にご購入をご検討ください。

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