2014年 あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
さて、今年はマルハニチロ(子会社「アクリフーズ」)のニュースで始まりました。異味異臭の検出は、官能評価の基本的な使用方法です。
しかし、近年では異味異臭の検出は「味センサー」や「においセンサー」の得意とするところとなりました。ヒトの感覚器を測定器とする官能評価の場合、2つの課題があります。1つは基準となる味やにおいを記憶するのが困難であること。もう1つは、再現性(ばらつき)の問題です。
これに対して、味やにおいのセンサーの場合は測定時期の異なっていても数値で比較評価することができます。また、再現性はヒトよりも優れています。
今回の農薬「マラチオン」が検出された問題では、最大濃度はコロッケが1万5千PPM(日経)となっていたそうです。この濃度で単体のマラチオンならばヒトでも検出できるでしょうが、食品に混入されると食品自体のにおいによってマスキングされてしまい、ヒトによっては気にならないレベルとなってしまうようです。
もちろんこのようなにおいでも検出できるパネルを持つことは有用ですが、様々な異味異臭の原因が考えられる場合、「いつもと違う」のを検出するのは難しくなります。検出ターゲットが多すぎて、抜け漏れが出やすくなってしまいます。いつもと違っても「これぐらいは正常な範囲だろう」と判断してしまうのです。
機器の場合は、正常な製品のばらつきを考慮したうえで、「いつもと違うもの」を検出することができます。
分析手法としては、ロジスティック回帰やSIMCA、判別分析などです。例えばアルファモス社の「におい識別装置」では、SIMCAやSQCツールが標準搭載されています。どんな装置を使うにしても、製品のばらつきを考慮した規格設定をすることがポイントです。(実は、ここが非常に難しい)
とはいえ、鼻(官能)を使えば早期に検出できた問題だと私は思います。意図的に混入された疑いもあるようなので、その場合はどんな手も打ちようがありませんが・・・。
前回のヒットの目安はいかがでしたか?
味噌汁のヒットの目安は、「10億円」(日経)だそうです。今回取り上げた冷凍食品のヒットの目安も、同じく10億円でした。
本ブログもゆるっと続きますので、今年もよろしくお願いいたします。