■□■□■□■官能評価TT通信No.17■□■□■□■
さて、今回のテーマは「評価室」です。
官能評価室に関してはISOではISO8589「官能試験-試験室の設計の一般指針」(邦訳なし)で規定されています。
弊社ではクライアント先で評価を実施することもありますが、上記ISO8589に基づき独自のチェック表をつくり事前に確認しています。
例として、分析型評価を行なう評価室のチェック項目を挙げてみます。
A.環境条件
1.ロケーション
2.温度と湿度
3.ノイズ
4.臭い
5.装飾
6.照明
B.ブース
最低限3室、通常5~10室
0.9m(幅)×0.6m(奥行き)
C.準備室
1.評価室のすぐ近くに置くこと
2.評価者が評価室に行くために準備室を通らないこと
3.床や天井、備品は臭いなどを容易にメンテナンスできるような材料であること
環境条件については、各項目について3レベル(A,B,C)に分類し記録します。環境条件を記録しておくことで社内外のデータ比較や過去のデータ比較をする際に役立ちます。
特に過去の評価事例と異なった結果が得られたとき、その原因がどこにあるのかを特定できないと過去の評価データが活かされません。
せっかく時間とお金をかけて取ったデータです。活かしたいものです。
官能評価は、評価の実施プロセスを克明に残していく(管理していく)ことが重要です。論文でも評価手法や分析手法について紙面を割くより、具体的な実施のプロセスを記載して欲しいと思います。なぜなら、官能評価の肝は実施プロセスにあるからです。
論文は別としても、会社の資産として評価データを生かすためにはパネルの状況や評価環境、つまり評価室の状況も記録しておくことが大切です。
あらたに評価室を設けるのは難しいですが、レイアウトや備品を考慮することで評価環境を改善することが出来ます。
ISOや書籍を読むことでも充分これらの知識は得られると思います。(弊社でもこれら相談に乗っております)
ぜひ、環境改善でよいデータを集めてください。
今回は「評価室」でした。
ではまた!