売上激増!官能評価

■□■□■□■官能評価TT通信No.16■□■□■□■

さて、今回のテーマは「営業から見た官能評価」です。

皆さんのところでは官能評価の結果をどのように使っているのでしょうか。

商品開発では官能評価の結果を営業に伝えて営業支援をすることもあります。今回は営業側から見たとき、どんな情報が欲しいのかを考えます。

まず、営業の仕事はなんでしょうか?

営業の仕事とは売ることです。

しかし、「買ってくれ」「はい、わかりました」とは行きません。
そこで商品やサービスの良さを説明して購入者にメリットがあることを説明します。

ところがこのメリットというヤツが曲者です。なぜなら常に変化していくからです。

そこでプロダクトライフサイクルの推移の中で求められる要素(メリット)を考えてみましょう。
1.機能
2.付加価値
3.デザイン
4.エモーション(経験価値)

先の2つは商品そのものの有形の価値で、後の2つは商品に付随する無形の価値です。

「健康食品」を例に説明します。
まず、「健康のための改善効果がある」という機能を満たして販売されます。この時点では「味」にあまり拘らなくても機能を売りに販売することが出来ます。(『1.機能』の利益訴求)

次に、いくつかの競合がでてくると機能だけでは売上に伸び悩みが出てくるため、「味」をよくします。なぜなら、いくら健康に良くても続けられなければ効果 は薄いし、何よりも不味いものは口にしたくないのが人情でしょう。それを解決するために「味の改善」された商品が市場に出回ります。(『2.付加価値』の 利益訴求)

さて、味も良くなってくると今度は「見栄え」が気になります。いわゆる「デザイン」です。私たちは社会生活を送る上で毎日移動を繰り返して生活しています。その中で食品も「持ち運び」されることが多くなり、他人の目に触れることも多くなるでしょう。必然的にデザインの良し悪しが購入決定の要因に関わってきます。(『3.デザイン』の利益訴求)

効果があり、味も良く、デザインもいい。でも、そんな商品が一杯になったら、また利用者は購入の要求を厳しくしてきます。それがエモーションです。感性マーケティングとか、経験価値マーケティングなどといわれるアプローチです。わかりやすい例では、マスターカードのCMで流れている「プライスレス」 というやつです。祭りなどで見かける「チョコバナナ」は昔からこのアプローチではないでしょうか。どう見てもバナナにチョコをかけただけなのですが、祭り などでは値段が高いにもかかわらず売れています。なぜでしょうか?この解釈として購入者は「チョコバナナ」を買っているのではなく「チョコバナナを買った 祭りの思い出」を買っているのだとするのがエモーショナルマーケティングのアプローチです。(『4.エモーション』の利益訴求)

さて、営業の話からプロダクトライフサイクルの話へと飛んでしまいましたが、ここで話を営業に戻しましょう。

営業の仕事は売ることです。
ところが消費者はプロダクトライフサイクルの中で様々なことを要求してきます。
同時に競合が次々と現れてきます。
そこで営業は次のことをしなくてはなりません。
1.消費者の要求を満たしていることを説明すること
2.競合商品より価値があることを説明すること

ここで営業が官能評価に求めるのは何でしょうか?
上記2項目そのものです。つまり、
1.消費者の要求を満たしていることを説明できるデータ・資料
2.競合商品より価値があることを説明できるデータ・資料

ということです。

例えば、官能評価実施者が論文を書いてジャーナルに記載されたとして研究の進歩を喜ぶかもしれませんが、営業サイドではそのジャーナルを持って営業に行けることを喜ぶのです。このように成果が各々の目的を満足していれば良いのですが、一方の満足で終わってしまうとギクシャクしてしまいます。
評価実施者は、
「この研究成果の意義をなぜ営業はわからないんだ」
営業は、
「そんな研究成果じゃインパクトが薄いんだよ」
と。

企業という組織の中で活動していることを考えると、相互のコミュニケーションの機会を増やして組織の最適化を進めていくべきでしょう。

このブログの読者は官能評価の実施側の人が多いと思います。そこで、お奨めしたいのが
「営業が欲しがるデータを取れ!」
です。様々な組織構造があるので一概には言えませんが、他部署で欲しがるデータを取れる官能評価部隊は周りのサポートも得られるため良いサイクルで回っています。

社内の営業をお客様と思えば、お客様が求めていることに答えていくのも必要なことです。

ぜひ、社内のお客様も満足させてやってください。

今回は社内のお客様、営業サイドから見た官能評価について述べました。
では、また!

admin について

旧ブログ「官能評価なるもの」は平沼孝太が執筆しておりましたが、現在の「官能評価なるもん」は弊社社員が編集しております。
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