ラインスケート用の道具(誤)

◆◇◆◇◆◇◆官能評価TT通信No.26◆◇◆◇◆◇◆

さて、今回のテーマは「簡易デジタイザー」です。

最近お問い合わせいただく官能評価にはラインスケールを用いたものが増えてきています。よく見かけるQDA法はラインスケールを用いています。ASTM規 格のQDA用ラインスケールならば150mmラインを、測り方によっては0.1mm単位で数値化できますので多変量解析など多様な分析が出来るのが魅力で す。

そんな中、みなさんはラインスケールのデータエントリーはどのように行ってますか?
紙媒体で解答してもらった場合はそこから定規を当てて読み取ることもあるでしょうし、余裕のある企業ですとデジタイザーなどを利用しているかもしれません。

今回は手計測・手入力を行っている方に「簡易デジタイザー」をご紹介します。

必要なのは次の物だけです。

1.パソコン(エクセルインストール済み)
2.スキャナー(注:ADF付だとさらに便利です)
3.画像計測ソフト(例 フリーウェア「!0_0! Excel 長さ・面積測定 Free Ver 2.00」など)

おそらく企業の方でしたらパソコンとスキャナーはそろっているでしょう。これにフリーウェアの画像計測ソフトを組み合わせれば準備完了です。基本的には新たな投資はゼロだと思います。

基本的な流れは次のとおりです。
1.解答用紙をスキャナーで読み込み、画像化する。
2.画像計測ソフトを立ち上げ、画像を読み込む。
3.基準長さを設定し、解答チェックまでを計測。
4.表示された長さを別の集計シートにコピー。

これだけです。

もし、長さの信頼性を確認したければ数箇所を定規等で実測し、ソフトウェアの算出した数値と比較してみてください。誤差が大きい場合は実測値と算出値の比を係数t(t=実測値÷算出値)として算出値を補正してください。

ラインスケールの計測回数は「サンプル数×パネル数×評価項目(=評価用語)×繰返しの数」だけ計測しなければなりません。3品目を3人のパネル で30項目を1回だけ評価した場合でも270ラインを計測することになります。とてもじゃありませんが定規で測っていたのでは手間がかかりますし、読み間 違いも起こりやすくなります。

ラインスケールを多用するようでしたらタブレット型のデジタイザーを購入したほうがよいでしょうが、専用デジタイザーとなると10万円以上します。それを考えると(ほぼ)投資ゼロで導入できる今回の「簡易デジタイザー」はお奨めです。

今回はここまで。それでは、また!

admin について

旧ブログ「官能評価なるもの」は平沼孝太が執筆しておりましたが、現在の「官能評価なるもん」は弊社社員が編集しております。
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