ふるぃそふと

◆◇◆◇◆◇◆官能評価TT通信No.29◆◇◆◇◆◇◆

さて、今回は官能評価につかえるフリーソフトをご紹介します。
というのも、いざ「官能評価を導入しましょう」となっても担当者からソフトがないという声をしばしば聞くからです。

官能評価を実施するにあたって必要なソフトウェアをプロセスに添って見てみましょう。(紙の回答用紙を前提としてます)

1.評価設計…表計算ソフト
2.結果の入力/集計…表計算ソフト、データベースソフト
3.結果の分析…表計算ソフト、統計ソフト
4.結果の報告…表計算ソフト、プレゼンテーションソフト

評価設計のプロセスでは、実験計画を検討・設計する為に使います。シンプルな計画の場合は、乱数を用いて試料の提示順を検討します。その 際、エクセルなどの表計算ソフトなら乱数を発生させることが出来るので便利です。もちろん、専用のソフトウェアを使えばもっと合理的な計画を簡単に設計す ることもできますが、導入時のコストを抑えることを考えれば、表計算ソフトで十分です。あと、実験計画法に関する多少の知識があればまったく問題なしで す。

次に、結果の入力集計プロセスでは、データの入力と論理チェックをします。ランダムコードを付けている場合はデコードすること も必要でしょう。データの入力はメモ帳等でも出来ますが、デコード・論理チェックすることを考えると表計算ソフトが良いでしょう。また、データを蓄積する ことを考えるならばデータベースソフトへの入力を検討しても良いかもしれません。エクセルでは1シートで約65000行までしかデータを入れられませんか ら(それでも十分な量ですが)、何年にもわたってデータ蓄積を検討しているならば、入力はデータベースソフトを使った方が安心です。一般に官能評価のデー タ数はマーケティングデータに比べて少ないことを考えると、このプロセスも表計算ソフトで十分です。

3番目のプロセスは、結果の分析です。このプロセスこそ、多くの人が苦手とする統計処理をする段階です。同時にソフトウェアが 必要と考えられているプロセスです。ここでは基礎統計量の計算から多変量解析まで目的に応じて分析します。分析手法に応じて必要なソフトウェアは変わって 来ますが、表計算ソフトの関数を組み合わせることで十分対応できると考えています。プログラミングの知識と統計の知識がある方ならば、エクセルのマクロを 自分で組んでもいいでしょう。しかし、現時点で知識が乏しいならやめておいた方が無難です。出来上がるまでの時間を考えると気が遠くなります。もちろんや りたいと言うのを止めませんが…
つまり表計算ソフトを使えるのは基本的な分析までと考えておいた方が良いでしょう。やはり多変量解析を使いたい方は専用のソフトウェアを使うのが賢明です。

最後は結果の報告プロセスです。官能評価のやりっぱなしは資源の無駄遣いですし、担当者の努力をアピールする機会を失ったこと になります。やはり実施したならば報告書なりの形にし、上司(もしくはお客様)に報告すべきでしょう。ここでは文字とグラフ・図が描けるソフトウェアが必 要です。報告と言えばプレゼンテーションソフトです。パワーポイントなどですね。残念なことにプレゼンテーションソフトのグラフ機能は、表計算ソフトや統 計ソフト(グラフ機能付)に機能やカスタマイズの点で劣ります。一方、統計ソフトで報告書まで書くのは不便ですし、表計算ソフトはパソコンでの閲覧に限っ ては見難いでしょう。個々の特徴を生かして、プレゼンテーションソフトをベースに、統計ソフトや表計算ソフトでグラフや図を作成して貼り付けるのが良いで しょう。もちろんイラストレーターやフォトショップなどデザイン系のソフトを使ってかっこよく仕上げるのも報告書の価値を高める方法として良いですね。し かし、「官能評価を導入する」上で必要最小限のソフトウェア環境はプレゼンテーションソフトと表計算ソフト・統計ソフトです。

さて、各プロセスで必要な作業とソフトウェアの種類を説明しましたが、多くの場合は次の3種類の市販ソフトで行っています。

1.表計算ソフト⇒エクセル
2.統計ソフト⇒SPSS/JMP/エクセルアドイン
3.プレゼンテーションソフト⇒パワーポイント

では、上記と同じ環境をフリーソフトで実現するお奨めソフトが次の3つです。

1.表計算ソフト⇒OpenOffice Calc
2.統計ソフト⇒R
3.プレゼンテーションソフト⇒OpenOffice Impress

もちろんフリーソフトは海外も含めたくさんあります。しかし、情報アクセスの容易さや書籍等の学習環境を考えれば上記のソフトがお奨めと言えます。

弊社では官能評価を導入するお客様の状況や目的に合わせて投資を低く押さえる提案をしております。
通常マイクロソフトオフィスはインストールされている場合が多いのでエクセルとパワーポイントだけで開始します。

次にどうしても多変量解析も行いたいと言う場合に限って、まずは市販のソフトウェアをお奨めし、資金面で折り合いがつかなければRを導入してます。

Rは無料なのに豊富なパッケージがそろっており、書籍やWEB上の情報も充実しています。サポートやバージョンアップのことを考えると市販ソフトがよいのですが、高いのが難点です。
Rをお奨めするもう一つの理由は市販のS-PLUSなどS言語への移行がしやすいと言う点です。S-PLUSは官能評価のみならずさまざまな調査・分析を進めるにあたって強力なソフトウェアです。

最後に便利なマクロソフト(自動化ソフト)をご紹介します。
定型的な評価が多い場合は、分析手順もルーティンとなってきます。エクセルなどオフィス製品にもマクロという自動化できる機能がありますが、アプ リケーション間の制御が出来ません(少なくとも私の知識では)。そこで簡単に複数のアプリケーションでも自動化できるソフトをご紹介します。UWSCというフリーウェアのマクロソフトです。
書籍も出ているので学習環境は良いとおもいます。。

最後に、官能評価を業務に取り入れていく上で複雑な統計処理が出来るソフトウェアは必須という訳ではありません。複雑な統計分析は結果の読み取りを難しくします。
笑い話ではありませんが、各データにつけた『No.』を統計ソフトにぶち込んで、出力された平均値を見て「これは何を意味しているのか」と聞かれたことがあります。どこから説明しようか悩みましたが(笑)
統計ソフトは分析手法の適・不適を判断するまでにいたっておりません。数値があればとりあえず計算できてしまいますので結果が出力されます。しかし、その結果を読み取れなければただの数字の羅列に過ぎません。

ソフトウェアよりも実施計画やオペレーション、パネルマネジメントに資源を配分することをお勧めします。

今回は官能評価を導入するに当たり、まずプロセスごとに最低必要なソフトウェアをご紹介しました。次に一般的な市販ソフトとお勧めするフリーソフトをご紹介しました。

紹介ソフト一覧
1.表計算ソフト⇒OpenOffice Calc
2.統計ソフト⇒R
3.プレゼンテーションソフト⇒OpenOffice Impress
4.マクロソフト⇒UWSC

基本的に弊社の官能評価導入サービスはこれらの流れに沿っています。詳しくは弊社までお問い合わせください。

今回はここまで。では、また!

admin について

旧ブログ「官能評価なるもの」は平沼孝太が執筆しておりましたが、現在の「官能評価なるもん」は弊社社員が編集しております。
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