Pangborn2019が8/1に閉幕しました。
7/28-8/1の5日間、イギリスのエジンバラ国際会議場にて開催されました。
日本からは25名、19団体の参加登録がありました。
前回よりは少ないようです。
Pangborn2019は講演、workshop,learnshopなどが並行して行われます。
その他にポスター掲示があるので、一人で全てを見て回るのはできません。
また、workshop,learnshopは一度出ると再入室は難しいです。
ですから、興味のあるテーマを飛び回りたくてもなかなか思い通りいきませんでした。
私は初日で動き回るのをあきらめました。
その為、私が見聞きした情報はPangbornの一部でしかないことをご承知おきください。
内容としてはAIやVR、MLなどの最新トピックは多く見かけました。
手法ではダイナミックプロファイリング(TDS、TCATA)は人気です。これにラピッドメソッド(CATA,RATA、FP、Napping)も多いです。特にCATAは人気でした。
なお、CATAの読み方ですが、私自身は「キャタ」と呼んでいますが「カタ」も少なくありません。Pangbornでは「ケイタ」と発音される方もいました。
正直、どの発音でも通じたように思います。もし通じなくても「Check all that apply」をフルで言えば間違いなく通じます。
また、日本ではあまり目にしたことがないRATA(rate all that apply)も見かけました。ポスターだけならばNappingなどのホリスティック法よりも多かったように思います。
講演ではペプシコが強烈なインパクトをもっておりました。データ数や研究のボリュームなどはさすがでした。やはり自信があふれているのでしょう。若い方の発表もなかなか「圧」がありました。しかし、具体的な研究内容は公開していなかったので、パネリストの再現性や妥当性がどのようなレベルなのかはわかりませんでした。
日本企業について、いくつかの企業はポスター掲示をされておりました。また味の素のDr.Chinatsu Kasamatsuさんはlearnshop#5のプレゼンターとして識別法の事例紹介をされておりました。
識別法は基礎的な手法のためか、あまり日本で研究されることが多くありません。非常に有意義な発表でした。
識別法については、以前このブログでも紹介した識別法の本「Discrimination Testing in Sensory Science」がありますが、著者のLaurenさんとお会いすることができました。彼女はコンサルタントで、講演では様々なグラフの見せ方を紹介しておりました。鉄アレイグラフとかアニメ化したTCATAカーブは面白い表現方法でした。
また、「Analyzing Sensory Data with R」の本の著者の一人、Thierry氏ともお会いしました。次回作はあるかと聞いてみたのですが「転職したし、忙しくて書けない。もう一人の著者(Sebastien)がやればなぁ・・・」(超意訳)と言っておりました。
なお、「Analyzing・・・」の本のサンプルデータリンク(出版社CRCpress)は切れています。個人的にファイルを送ってもらいました。ご入用の方はご相談ください。
詳細については書ききれないので、どこかでお会いした際にでもお話しさせていただきます。
最後に、私はPangbornに初参加だったのですが、結構面白かったです。また、日本とのギャップも感じつつ、それを「日本は遅れている」という気もありません。しかし、日本企業の予算枠は確実に少ないのは明白です。人材も少なく、Sensoryの専業者も多くありません(兼業者がほとんどです)。
技術か、予算か、頭数か、何かしら秀でていればよいのですが、今のところ難しいようです。
おそらく日本から参加された方々は、会社に戻ってレポートなりを書かれることと思います。それを上司が読んで「なるほどなー」で終わってしまうのでしょう。
何かアクションが起きることを期待しております。
次回2021年はカナダのバンクーバー開催(8/8-12)です。日本だとお盆休みにかかってしまいそうですが、都合がつくならばご参加をお勧めいたします。
気に入って何度も訪れたエジンバラ城の写真を三方向よりご紹介しておしまいです。