【セミナー3/25】「商品開発のための官能データの使い方」 ★香料体験あります★

今年は2度にわたる関東の大雪。そして世界的にはイギリスで洪水が発生し、エルニーニョの発生もうわさされております。
原材料・食材の高騰など食品関係者にはいろいろと悩みの種が付きません。

この不透明な時代を乗り切るために、商品開発力を高めてコスト増に負けない商品を開発していきましょう。
そんな商品開発担当者向けのセミナーを 2014/3/25(火)に開催いたします。

セミナーでは、官能評価や商品開発に経験豊富な実務家をお招きし、商品開発プロセスにおける官能評価の役割や活用方法を講演いただきます。
講演者は、世界最大の香料メーカー「ジボダン」の日本法人で官能評価を長年担当されている木村様や、外資系飲料メーカーで官能評価・嗜好調査をご担当されてきた菅様、QDAで有名な米国コンサルティング会社Tragon日本パートナーのアルファモス吉田様、そして本ブログ著者のテイストテクノロジー平沼です。

官能評価データの実践的な使い方を学ぶことができる最適な機会です。
また、実際のフレーバー(香料)をつかった体験も予定しております。

ぜひお誘い合わせの上、ご参加ください。

また、本セミナー終了後に「商品開発アプリケーション研究会」を発足させる予定です。
商品開発におけるアプリケーション(応用事例)を共有し、官能データの付加価値をさらに向上させるための取り組みに共感頂ける方々のご参加をお待ちしております。
※当日セミナーに参加できないが、研究会に興味がある方はこちらからご連絡ください。

【題名】「商品開発のための官能データの使い方」セミナー
【日時】2014年3月25日(火) 13:00~17:00(受付12:40~)
【場所】東京・港区(ベルサール芝公園 会議室
※最寄駅:「芝公園駅」A1出口徒歩1分(三田線)
【費用】10,000円(当日現金払い)

ぜひ、この機会に官能データの使い方をご習得ください。

お申込み・詳細はこちらから(アルファモス社のサイトに移動します)

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異味異臭の検出

2014年 あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

 

さて、今年はマルハニチロ(子会社「アクリフーズ」)のニュースで始まりました。異味異臭の検出は、官能評価の基本的な使用方法です。

しかし、近年では異味異臭の検出は「味センサー」や「においセンサー」の得意とするところとなりました。ヒトの感覚器を測定器とする官能評価の場合、2つの課題があります。1つは基準となる味やにおいを記憶するのが困難であること。もう1つは、再現性(ばらつき)の問題です。

これに対して、味やにおいのセンサーの場合は測定時期の異なっていても数値で比較評価することができます。また、再現性はヒトよりも優れています。

今回の農薬「マラチオン」が検出された問題では、最大濃度はコロッケが1万5千PPM(日経)となっていたそうです。この濃度で単体のマラチオンならばヒトでも検出できるでしょうが、食品に混入されると食品自体のにおいによってマスキングされてしまい、ヒトによっては気にならないレベルとなってしまうようです。

もちろんこのようなにおいでも検出できるパネルを持つことは有用ですが、様々な異味異臭の原因が考えられる場合、「いつもと違う」のを検出するのは難しくなります。検出ターゲットが多すぎて、抜け漏れが出やすくなってしまいます。いつもと違っても「これぐらいは正常な範囲だろう」と判断してしまうのです。

機器の場合は、正常な製品のばらつきを考慮したうえで、「いつもと違うもの」を検出することができます。

分析手法としては、ロジスティック回帰やSIMCA、判別分析などです。例えばアルファモス社の「におい識別装置」では、SIMCAやSQCツールが標準搭載されています。どんな装置を使うにしても、製品のばらつきを考慮した規格設定をすることがポイントです。(実は、ここが非常に難しい)

とはいえ、鼻(官能)を使えば早期に検出できた問題だと私は思います。意図的に混入された疑いもあるようなので、その場合はどんな手も打ちようがありませんが・・・。

 

前回のヒットの目安はいかがでしたか?

味噌汁のヒットの目安は、「10億円」(日経)だそうです。今回取り上げた冷凍食品のヒットの目安も、同じく10億円でした。

本ブログもゆるっと続きますので、今年もよろしくお願いいたします。

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ヒットの目安

良い商品・おいしい商品が、売れる商品になるとは限らない。

だからこそ、マーケティングが必要。

ところで、「売れた」ってのはどのくらい売れれば言うのでしょうか。

会社や事業規模によって「ヒット」や「売れた」の意味合いが異なります。中小企業では「大ヒット」と思っても、大企業では「普通」ということはよくある話です。また、一般人からしてみれば「売れたモノ」は「よく見聞きするモノ」と同じくらいの感覚かもしれません。

さて、日経新聞を読んでいたら「ヒットの目安」という言葉がよく出てくるではありませんか。ヒット商品を紹介するような記事では、

「●●(商品名)はすでにヒットの目安とされる年間xx本を突破・・・」

などと紹介されています。

日経新聞から見た「ヒットの目安」をいくつか集めてみました。クイズ形式です。

音楽CD
① 3万枚 ② 10万枚 ③ 100万枚

DVDソフト「ハウツー物」
① 1000本 ② 10,000本 ③ 100,000本

DVD市場
① 1000枚 ② 3000枚 ③ 5000枚

アイス
① 5億円 ② 10億円 ③ 20億円

テレビ視聴率(インド)
① 視聴率0.1%前後 ② 視聴率1%前後 ③ 視聴率10%前後

映画
① 興収1億円以上 ② 興収5億円以上 ③ 興収10億円以上

============出題ここまで============

回答は下の方にスクロールしてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

================ここから回答================

 

正解:

音楽CD①3万枚
DVDソフト「ハウツー物」①1000本
DVD市場②3000枚
アイス③20億円
テレビ視聴率(インド)②視聴率1%前後
映画③興収10億円以上

ちょっと古いデータも入っていますが、自分の感覚と合わない部分や業界の意図が感じられる部分もありました。

ちなみに映画は一時期興行収入20億円と書かれた記事もありました。ゲームは載せていませんが、家庭用ゲームは規模の縮小とともにヒットの基準も変わってしまったようです。

最後に味噌汁のヒットの目安はいくらでしょうか?次回のブログにて発表します。

今回はいろんな「ヒットの目安」でした。

 

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パネリストの人数

パネリストの人数は何人が良いのか

今回はパネリストに関する内容です。パネリスト、特に官能評価では分析型パネリスト(評価者)の人数設定については多くの方が悩まれております。

そして次のような質問を頂きます。

「●●人で官能評価をやったのですが、大丈夫でしょうか?」
「最低何人いれば良いですか?」
「手法毎の必要人数を教えて下さい。」

そのような質問に対してパネリストの人数を求める方法をご紹介します。

 

パネリストの人数を求める3つの方法

ここでは3つの方法をご紹介します。

①パネリストの必要数を統計的手法に基づき算出する
②経験に基づいて設定する
③JIS・ISO規格などを参照する

①パネリストの必要数を統計的手法に基づき算出する

1つ目はα、βリスクなどから必要数を算出する方法です。
本来、パネリストの人数は実験目的(「既存品よりも新製品の方が苦くない」などの帰無仮説の設定方法、サンプルの差の大小など)によって設定されます。
データ数を設定する場合、統計的配慮として気を付けなければいけないのがαリスクとβリスクです。これは検定結果の誤りであるTYPEⅠerror(第1種の過誤)、TYPEⅡerror(第2種の過誤)の確率ともいえます。
このαとβのバランスが取れるデータ数(これは自分で決めなければならない)が、その実験で必要なデータ数、つまりパネリストの人数です。

②経験に基づいて設定する

2つ目は、経験的にどのくらいの人数がいれば統計的に差が出るかを設定する方法です。
しかし、前回差が出なかったから今回は人数を増やすような、出たとこ勝負になります。また、差を出すために人数を増やすことにつながり、統計的検定の思想とは異なります。

③JIS・ISO規格などを参照する

3つ目はJISやISOなどの規格に記載されている推奨値を参考にする方法です。

上記3つのうち、本来は①をすべきでしょうが、算出するには統計知識が必要です。
そこでお勧めするのは③です。

日本規格のJISでは、「JISz9080官能評価分析-方法」に推奨人数が記載されています。

テイストテクノロジー社資料パネル分類と人数(pdfファイル)

 

ソフトウェアでパネリスト人数を求める方法(JMP、FIZZ)

ここで統計ソフトウェア「JMP」をお持ちの方は便利な機能があります。
JMPのメニューから、
実験計画(DOE)>標本サイズ/検出力
をクリックすると必要な標本サイズ(データ数)が計算できます。

※新バージョンJMP11の先行予約が9/20までです。最大31,500円引き。お早めに!

【追記】

官能評価ソフトウェア「FIZZ」やでもパネリスト人数や特定のパネル人数の時の検出力を求めることができます。

①設定した検出力に必要な人数を計算する。

②設定したパネリスト数による検出力の計算

 

ここでは識別法のパネリスト数の計算をご紹介します。

FIZZ-Calclationsのメニューから下記をクリックする。

Menu>statistics>determine number of judges/Power(discrimination test)

設定ダイアログが表示されるので手法、αリスク、検出力(1-β)等を設定し、実行するとグラフとともに結果が表示されます。

【追記ここまで】

 

最後になりますが、本来パネリストの人数は実験目的によって設定されるものです。

また、嗜好型のパネリストの人数については言及しませんでした。基本的には、ターゲットとなる母集団を設定し、その母集団を代表する標本に調査を実施し、母集団を推定するという流れになります。これはマーケティングの分野で研究されています。標本の選び方(サンプリング方法)についても様々な手法がありますし、目的によっても異なります。

「売行き予測」のトレンドマーカー

これに付随して、私の研究分野の一つに「売行き予測」があります。売上の予測を精度よくあてられる人々を集めて、新商品の売行き予測をしてもらうものです。弊社ではこのような予測者を「トレンドマーカー」と呼んでおります。
類似の研究は国内でもされていて、アサヒビールの高感度消費者研究の一環として本や論文に「目利き」として紹介されています。

  

弊社の当面の研究課題は、いかに少ない人数で予測精度を上げていくか。また、市場のトレンドが変化した場合のトレンドマーカー(予測者)の適応性・ロバスト性を見極めたいと思っております。興味がある方はお問い合わせください。

今回はパネリストの人数を決める方法を紹介しました。

ではまた!

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TimeIntensity測定ツールの試用版を提供開始

TimeIntensity測定ツールの試用版を提供開始致しました。

試用版は測定時間の機能を制限しておりますが、他の機能はそのままお使いいただけます。

・TI(TimeIntensity)法に初めて触れる方

・他のソフトや機器を使っているが、使い勝手を試したい方

・とりあえずどんなものか見てみたい方

(試用版には限りがございますので、同業およびソフトウェア会社様のお申し込みはご遠慮下さい。)

こちらからお申し込みください。

試用版のお申込み頂いた方には「TimeIntensity法の特別セミナー」に無料でご招待いたします。

ぜひご利用ください。

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主成分分析における寄与率とは

24日はアルファモス社主催のセミナーに参加してきました。セミナーの最後はQDAの開発者でTragon社の創業者であるDr.Herbert Stone氏の講演でした。
米国小売業における官能評価の利用状況のお話は興味深かったです。

主成分分析がわかりにくい理由

さて、今回は主成分分析についてです。
主成分分析は多変量解析でもポピュラーな手法です。
しかし、いざ結果を読み取るとなると難しいという声を聴きます。

そんな主成分分析ですが、まずは基本を確認してみたいと思います。
主成分分析が行っていることは、サンプル間の分散を最大にする係数を求めている、ということです。

その結果から、ポジショニング、グルーピング、外れ値の発見、新たな合成変数の構築に利用されます。
しかし、元は一つです。

元は一つなのになぜ主成分分析がわかりにくいのか。弊社では過去に「主成分分析だけのセミナー」を実施しておりますが、参加された方のお声を伺って気が付いたことがあります。

それは、目的に沿った結果の読み方を知らない、ということです。

 

主成分分析における目的別の寄与率の読み方

Aマッピングをする場合の寄与率の見方は、Bサンプル間の違いを見つけるための読み方と異なります。

セミナーで耳にした、寄与率についての誤解Top2を紹介します。

・寄与率は2軸を合わせて●%以上必要(%数は諸説あります)
・寄与率が非常に小さい場合は意味がない

上記の誤解に対する私の回答は、

「この2つは正しい場合もあるし、正しくない場合もある。そして、正しいか否かは分析目的による。」

です。

Aマッピングをする場合の寄与率の見方としては、投入した変数の情報量を多く持っている方が良いと考えるので累積した寄与率が高い方が良いと考えます。

一方、Bサンプル間の違いを見つけるような場合は投入した情報量を多く持つかどうかは関係ありません。仮に投入した100変数のうち1変数でサンプルの違いを見分けられるのであれば、他の変数は捨ててしまってもよいのです。このような場合は、寄与率の高さは関係ありません。非常に寄与率が低い場合でもサンプル間の差を識別する変数が見つかればよいのです。
ガスクロデータの成分分析を主成分分析する場合にはこちらの視点で見ることが多いでしょう。

主成分分析の結果を読む時のポイント

寄与率の基本的な意味合いは、「投入したデータのうち、その軸(主成分)が何%の情報量を示しているか」を示しています。

このことを念頭に置いて、次の二つを意識して結果を読むと自信が持てるようになります。

1.自分の解析目的が何か。
2.その場合、寄与率はどのような意味を持つのか

寄与率とは違いますが、主成分分析はバイプロットを読みこなせるようになると、飛躍的に使えるようになります。また、応用としてSIMCAや主成分回帰分析も使えるようになります。

ぜひ、主成分分析を使い倒してください。

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【セミナー6/7開催】ソフトウェアで学ぶ一対比較法-主成分分析・重回帰分析への応用-

一対比較法のセミナーを2013/6/7(金)に開催いたします。

内容は要望の多かった 「一対比較法セミナー」です。

解析のためのEXCEL講習会にならないように、弊社の一対比較ソフトウェアをつかった実践的な内容です。
また、実務で使うことの多い主成分分析・重回帰分析の応用方法もご紹介いたします(一般統計ソフトを使用)。

ぜひ、この機会に官能評価の定番手法「一対比較法」をご習得ください。

詳細はこちらから

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GoogleNoseベータがついに・・・

新年度が始まりました。

新入生、新入社員、異動の方は新しい環境のストレスに負けず頑張っていきましょう。

さて、ついにGoogleがにおいの出るサイトを公開した模様です。

GoogleNoseBETA

画面にちかづいてボタンをクリックすると・・・

さてさて機能の程はご体験ください(笑)

しかし、あながち夢物語というわけではないと思います。日本でも過去にNTTコミュニケーションズが香り配信サービスの実証実験を行ったことがあります。また、iPhone用のにおいセンサーが開発されているようです。

 米新興企業、においや風味を認識する「iPhone」用チップを開発

ハンディタイプは日本でも販売されていますが、より身近なiPhoneで測定できるとなると用途が一気に広がります。

実際の使用となると、壁は高いように思います。島津社におい識別装置は10センサー、アルファモス社製は18センサーですが、目的ごとにモデルを構築すると結構大変です。

このチップは約2000センサー搭載ということですが、各種モデル構築の部分でもビッグデータ解析が必要です。

利用例として「口臭」の測定を上げてますが、実用レベルになるためには検出感度・官能データ・モデル構築の3つがポイントとなります。おそらくアメリカ企業なので、においの定義を成分で行うと思いますが、そこ(目的変数)に人による評価(官能評価)データが入らなければ、実際の我々の感覚から離れたものとなってしまうでしょう。つまり、臭くないのに臭いと判定されたり、臭いのに臭くないと判定されるなどの誤判定の問題です。

ま、医療用ではないのでおもちゃ感覚で面白いものになってほしいと思います。

さて、GoogleNoseはいつできるのでしょうか。たのしみです。

※ページ最後に「今日はエイプリルフール」と書いてあるのはお気づきですよね?

 

 

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リップスティック型「においスティックOSIT-J」再販売(第一薬品産業)

におい検査といえば、T&Tオルファクトメーターが有名です。

論文などでも記載されているのでパネルスクリーニングで使いたいというお客様がおりますが、弊社では手軽なツールとして「リップスティック型におい検査キットOsit-J」を紹介しておりました。

OSIT-Jは、昨年販売の休止が伝えられておりましたが、第一薬品産業によれば販売を再開するとのことです。

第一薬品産業株式会社再販のおしらせ

弊社でパネルスクリーニングを行う場合、TT式味覚検査とOSIT-Jを組み合わせて行っておりました。OSIT-Jについては、既定の方法だと正解率が高く、パネル能力の差を表現しきれないため当社オリジナルの実施・解析方法を採用しております。

OSIT-Jは、リップスティックタイプ(固形)で使いやすいキットです。紙に塗布し、紙をこすり合わせると、におい物質入りのマイクロカプセルが破壊されてにおいが拡散します。T&Tや他のキットは、液体型です。紙をサンプル瓶に入れて、その紙を嗅がせます。スクリーニングを行う場合、数十名から百名に対して行うことが多く、液体型では直前に塗布が必要なため運営上の手間がかかることと、サンプル瓶を開けるだけでにおいが拡散するため検査場のにおい管理が大変であることからOSITをお勧めしております。

精度を考えるのであれば、OSIT-Jで一定数に絞って、2段階目のスクリーニングテストとしてT&Tやパネル選定用基準臭キットを使う方が良いでしょう。

多くの企業様では5味テストだけの実施が多く、においのスクリーニングテスト自体行われていないことが多いようです。最初の一歩として導入されることをお勧めします。

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パネルに関するISO規格のアップデート

あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

年末のキャンペーンには多数の御問合せ・ご予約をいただき、ありがとうございました。キャンペーンは終了いたしましたが、予約は受け付けておりますのでよろしくお願いいたします。

さて、2012年末に官能評価にかんするISO規格で大きめの変更・追加がありました。12/14にISO 8586:2012が発行されました。

ISO 8586は、以前はISO 8586-1とISO 8586-2に分けられておりました。また、ISO 8586-2は1994年に初版、2008年に改訂が入っておりました。そして今回の改定では、1と2が統合し、一つのISO 8586としてまとまりました。

ISO 8586とは「Sensory analysis — General guidelines for the selection, training and monitoring of selected assessors and expert sensory assessors」(官能試験-選ばれた官能試験員及び専門官能試験員の選抜,訓練及び監視の一般指針)です。

また、2012/10/29にはISO11132「Sensory analysis — Methodology — Guidelines for monitoring the performance of a quantitative sensory panel」(官能試験-方法論-定量的官能パネルの性能モニタリングの指針)が新たに発行されています。

両規格とも官能評価パネルに関する規格であるところが面白いです。近年の流れから見れば、記述型官能評価の広まりと多様化が背景にあるのでしょう。

実際、弊社の業務の中でも記述型官能評価パネルのスクリーニング・訓練・維持管理に関する案件が増えております。また、同時に記述型官能評価(QDA)をきちんと導入したいという話が増えております。

実際、QDAを導入する場合、弊社ではパネルリーダー研修を実施します。先に座学を行い、後半はワークショップを通じて実際の評価設計から、パネルスクリーニング・採用・訓練・用語構築・本評価・分析・報告までを一貫して行います。半年ほどかかるので、年に2社実施するのがギリギリです。(2013年はもう1社枠がありますのでご興味のある方は右のフォームからお問い合わせください)

その際、QDAにもさまざまなやり方があるので、要求に合わせたメソッドを提供しております。

また、すでにQDAを導入・実施されている企業様向けにはパネルのスクリーニング・トレーニングを行っております。特にトレーニングでは、トレーニングメソッドとパネリストの評価方法を官能評価担当者に指導・提供します。

弊社の評価方法と今回の紹介した規格(ISO8586とISO11132)を比較してみたところ、ほとんど網羅していることがわかりました。弊社トレーニングプログラムを作成したときに参照したのがISO8586-1,2です。また、ISO11132も先行規格となるISO8586-1,2に基づいて作成されていますから、当然といえば当然です。

官能評価に関するISOの流れとして、根本のところは変わらず、細かいところも規格で提示するようになってきたように思います。個別例としての規格は、1980年以前は茶やワインの評価器具などしかなかったのですが、現在は牛乳・オリーブオイル・コルク栓・包装・デュラムセモリナ・未焙煎コーヒー豆などが個別に規格発行されています。

今後は、記述型官能評価と個別の規格ラインナップの充実がさらに進むと思われます。

細かさ・多様さではASTM(アメリカ規格)には劣りますが、官能評価の規格としてはISOの存在意義は弱くなることはないでしょう。

2012年末に発行されたISO8586とISO11132をご紹介しました。

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